記憶とは

神経細胞

画像の説明

脳には神経細胞(ニューロン)が1000億個あると言われています。
すぐにはイメージできないと思います。

今、世界の人口は70億を超えた所です。この全世界の総人口よりもはるかに多くのニューロンが存在しています。

また朝刊一部の文字数は40万字と言われています。その朝刊を
毎日700年分も集めた文字数と同じです。

又神経細胞は数百の突起を持っていて、シナプスと呼ばれる神経回路で結ばれています。
その総数は1000兆個に及びます。

まさに脳の中に無限の宇宙が広がっているのです。

神経細胞は減る一方 ?

 確かにある年齢を境に、神経細胞は日に数万個のスピードで減って行きます。
そして増殖しません。
これには大きな理由があるのです。

人の記憶はこの神経細胞のつながりの中にあります。
この神経細胞が新しくなり、ドンドン記憶が塗り替えられて行ったら、
今までに覚えた事や、経験が全くすり替わってしまうとしたら、私達は
完全に別の人になってしまいます。

この記憶が私を私にしているのです。

脳細胞の成長


記憶の種類

記憶は保たれた時間で分類されます。

保持の時間が短い  「短期記憶」
   時間が長い  「長期記憶」

 「短期記憶」  は30秒からせいぜい数分、5個から9個しか一度に覚える事しか出来ません

昔から言われている「マジカルナンバー7」
 曜日、音階、たいてい登場人物は7人なのです。

電話番号は10桁以上ありますが、
0123456789

でも
0123-45-6789とすると
3つの固まりとして認識するので覚えやすいのです。

「長期記憶」は次の二つに分類されます。

経験した事を覚えている          エピソード記憶
学校で習った経験とは関係のない知識は   意味記憶

意味記憶を思い出す為には、何かきっかけが必要になります。
テストなどで覚えた形にあった問いかけであれば思い出せますが、
違う問いかけでは全く思い出せないのはそのせいなのです。
思い出す為のきっかけとても重要になるのです。
「エピソード記憶」はいつまでも思い出しやすいですよね。
特に強烈な感情を伴った記憶は強く心に残ってしまいます。

この2つ以外に、さらに2種類の長期記憶が発見されました

「手続き記憶」

スポーツで「体で覚える」という状態を経験した方は多いと思います。
服を着たり歩いたり普段意識せずにすらすら出来る事です。
お箸を使ったり、縄跳びをしたり自然にできる事です。

私達はどこかでその方法を記憶して来ています。

このような記憶を「手続き記憶」と言います。

もう一つは

「プライミング記憶」です。

次の文章を読んでみて下さい。

「ポパイが恋敵のブルートをなぎ倒すさまは我々に心地良い快感を与えてくれる。ポパイがブルートより圧倒的に体格が劣っているため、さらに我々の同情を誘うほうれんそうを食べて怪力になりそれまで全く歯が立たなかった
ブルートとから逆転勝利を収めるおなじみのパターンも見ている者に
安心感を与える。
さてポパイの力の源であるほうれん草が実際に高い栄養価を持つ事は周知の通りであるがこのアニメの影響は絶大で当時のポパイを見て成長盛りの子供達が積極的にほうれそんうを食べるようになったという事が報告されている。」

この中の最後の「ほうれんそう」は「ほうれそんう」となっていますが、皆さんの中には勝手にほうれんそうと読まれた方も
多いと思います。

このように普段のちょっとした勘違いを起こした経験があるでしょう。

脳はいろいろな所に記憶を振り分けてしまい、以前の記憶と勝手に結びつけて解釈してしまう事があるのです。

これはとても大事な脳力で、ほ、う、れ、ん、そ、う、一文字、一文字、認識するんではなく、一瞬で「ほうれんそう」と認識する
事が出来ます。

これは自分の状況を迅速に判断する為の重要な役割なのです。

しかし勘違いの元になる原因なのです。だから如何に自分の記憶がいい加減を意識しておく必要があります。

この記憶の階層は人間の成長過程にも当てはまります。

子供から大人になる時に最も早く発達するのが手続き記憶
まず生存の為に歩いたり、食べたり手を使ったりという記憶が
優先するのは当たり前ですよね。

次にプライミング記憶、これは素早く状況判断をして危険を回避する為に
必要ですね。

そして意味記憶、や短期記憶が発達して来ます。

小学校低学年の子供が興味のある事に、すばらしい記憶力を発揮するのを
経験した方もいらっしゃるでしょう。
九九もこの頃に覚えるのは意味がある事なのです。

7~10歳の頃からエピソード記憶が優勢となって来ます。
またこの頃から自分の自我も発達して、記憶を選別するようになって来ます。

このころに勉強方法をこの発達に合わせて行かなければ
勉強ができないと勘違いしてくるのです。

海馬

海馬が記憶の鍵を握る事が1970年代に解って来ました。
海馬が記憶を振り分けて、記憶するものしないもの記憶するべき場所へと
適切に振り分けて効率的に記憶しています。

海馬に記憶された情報は1月間ほどとどまり記憶すべき情報が側頭葉に送られるのです。

ですから、この間に適切に整理された復習をする事が、記憶にとても大事な事になります。

θ波

海馬の研究で重要な発見がありました。
θ波と場所ニューロンです。

α波はリラックスする時にでる脳波として知られています。
θ波は海馬から発せられる脳波で
新しいものに出会ったり、はじめての場所に行ったり
あれやこれやと探索している時に、海馬はθ波を出して
活動します。

反対に飽き足り、マンネリ化するとθ波は発生しません。
興味を持って物事を考えたり見つめたりする時に
発生します。

みなさんも興味のある事はよく覚えている事を経験した事が
あると思います。

個性とは

記憶は脳の神経回路の中に保たれています。
この神経回路のつながり具合によって情報がどのように処理されるかが決まって来るのです。

コンピューターは一つ一つの情報にアドレスという住所を与えて整然と情報を蓄えて行きます。

脳はこれとは違い、一つの神経細胞にいろいろな情報を蓄えています。

その為、蓄えられた記憶はお互いに影響し合って記憶が曖昧になったり、間違いや勘違いを起こしてしまうのです。

しかしこの性格こそが人間性や個性の源になっているのです。

情報が相互作用する事によって全く異なったものを関連づけたり、まったく違う新しいものを生み出す力になっているのです。

このつながり具合を目に見えるようにしたものが、

マインドマップなのです。

この神経回路がどのように作られるかというと、

1、何度も失敗して繰り返す事
2、きちんと手順を踏んで覚える
3、まずは大きく捉える。